はじめに:この記事でわかること
- 「的を射る」か「的を得る」か、言い間違いやすいこの表現。
- どちらが正しい?どちらも間違い?という疑問に答えます。
- この記事では、語源・使われ方・辞書的な扱いをふまえて、わかりやすく解説します。
【的を射る】の意味とは?
✅ 正しい意味
「的を射る(まとをいる)」とは、物事の核心を突く、正確に本質を捉えるという意味です。
✅ 使用例
- 彼の発言はまさに的を射ている。
- 的を射た指摘に、会場がざわついた。
✅ 語源・背景
弓矢で「的(まと)」を“射る”という動作から転じて、議論や指摘が本質を突いている状態を表す表現です。
【的を得る】の意味とは?
✅ 辞書的な扱い
「的を得る(まとをえる)」という表現は、本来は誤用とされていましたが、現在は一部辞書で容認されつつある表現です。
✅ 使用例
- 彼のアドバイスは的を得ていた。(←近年使われがち)
✅ なぜ広まった?
「得る(える)」という言葉が“要点を掴む”という意味にも聞こえ、誤用が定着しやすかったためと考えられています。
「的を射る」と「的を得る」の違いを比較表で整理
比較ポイント | 的を射る | 的を得る |
---|---|---|
意味 | 本質・核心を正確に突く | (誤用だが)要点を捉えるイメージで使われがち |
辞書的評価 | ✅ 正しい表現 | △ 誤用とされつつも一部容認傾向 |
印象・使うべき場面 | フォーマル・文章・ビジネスなど | カジュアル・会話中心(ただし注意が必要) |
間違いやすい使い方の具体例
✅ 誤用の例
- 彼の意見は的を得ていると思う(←❌ 本来は“的を射ている”が正しい)
- 議論の要点を的確に得ていた(←❌ 言いたいことはわかるが不自然)
✅ なぜ混同されやすいのか?
- 「得る」の方が日常的で耳なじみがあるため
- “的を得る=要点を得る”と意味が通じてしまう
「的を射る」か「的を得る」か、どちらを使う?判断のヒント
- 正確な日本語を使いたい、文章での表現 → 的を射る
- 会話などカジュアルな場面 → “得る”も通じるが誤用と理解して使うべき
ポイント:
「的を射る」が本来の正しい表現であり、公的・ビジネスの場では“得る”を避けるのが無難です。
まとめ:違いを理解して正しく使おう
- 「的を射る」は“核心を突く”という意味で正しい日本語
- 「的を得る」は誤用とされてきたが、一部で容認されつつある
- 状況に応じて使い分けることで、表現力と教養が深まります