はじめに:この記事でわかること
- 「“敷居が高い店”って、つまり“高級で入りづらい”ってこと?」と思ったあなたへ。
- 実は「敷居が高い」は、単なる“高級感”ではなく、もっと繊細な意味を持つ日本語です。
- この記事では、「敷居が高い」の正確な意味、誤用の背景、使い方のヒントを解説します。
「敷居が高い」の意味とは?
✅ 辞書的な定義(正しい意味)
「敷居が高い」とは、「過去に迷惑をかけたことがあって、その家や場所に行きづらい気持ち」を表す言葉です。
✅ 使用例
- 「借金を返していないままなので、あの人の家は敷居が高い」
- 「会社を辞めた手前、元の職場にはちょっと敷居が高くて…」
✅ ニュアンス・背景
“心理的な後ろめたさ”が中心にあり、「入りにくい」原因が感情面にあるのがポイントです。
「高級」「格式が高い」という意味は、実は含まれていません。
「高級感がある」=「敷居が高い」ではない?
✅ 誤解されがちな使われ方
- 「このレストラン、敷居が高くて入りづらいな〜」 → この使い方、じつは誤用です。
本来は「過去の経緯による気まずさ」「謝罪すべき気持ち」などが必要条件。
価格や雰囲気の“入りにくさ”だけを理由に使うのは、誤解を招きます。
【意味比較】「敷居が高い」 vs 「入りにくい(高級店など)」
比較ポイント | 敷居が高い | 高級で入りづらい |
---|---|---|
意味 | 過去に迷惑をかけて行きづらい | 雰囲気や価格的に入りにくい |
使われる場面 | 元上司の家、借金先、旧友の家など | 高級レストラン、高層ホテルなど |
ニュアンス | 心理的・人間関係の“気まずさ” | 経済的・格式的な“ハードルの高さ” |
間違いやすい使い方とその理由
✅ 誤用例
- 「このバー、敷居が高そうだからやめよう」
- 「あの美容院、敷居が高くて入れないなぁ」
✅ 正しい表現にすると…
- 「このバー、入りづらい雰囲気だよね」
- 「あの美容院、高級そうで気が引ける」
✅ 誤用されやすい理由
- 「敷居=建物の入口」→ 入りにくさと直結しやすい
- 雰囲気的な距離感と心理的な後ろめたさを混同しやすい
「敷居が高い」を正しく使うヒント
✅ こんな時に使おう
- 過去に失敗や迷惑をかけた相手のところに行く時
- 人間関係にわだかまりがある場所を訪れる時
✅ 会話での使い方
- 「先輩に迷惑かけたから、あのサークルにはもう敷居が高くて…」
- 「昔トラブルになった人だから、今さら行くのは敷居が高いかな」
まとめ:意味を知れば、言葉に深みが出る
- 「敷居が高い」は単に“入りにくい”のではなく、後ろめたさや気まずさを表す日本語。
- 高級感や格式で使うのは誤用。正しくは「入りづらい」「気が引ける」などに言い換えよう。
- 言葉の背景を知ることで、より丁寧で伝わる表現ができるようになります。